企業が固定費を削減する7つの方法!

税務・財務コンサルティング
time2020年3月15日
企業が固定費を削減する7つの方法!

企業の固定費や変動費とは?

企業活動の上で掛かってくる費用には「変動費」と「固定費」があります。「変動費」はいわゆる原価を指しており、売上の変動に比例する形で発生する費用で、「固定費」は売上の変動に関係なく発生する費用を指します。具体的な例を挙げてみましょう。

【変動費】
・商品・材料の仕入
・生産における人件費
・売上を上げるためにかかった経費(運送費・外注費・水道光熱費等)

【固定費】
・役員報酬
・事務所等の家賃
・保険料
・支払利息

もちろん上記の他にも該当する項目がありますが、対象の費用がどちらかに該当するかわからない場合は、「売上に連動するものが変動費」、「一定に発生するものが固定費」と考えるとシンプルでわかりやすいでしょう。

ただし、実際には変動費と固定費を分類することは難しい場合もあります。例えば「人件費」です。一般的に毎月給料は発生しますが、給料は売上に直接的に関係することもあるため、一概に判断することは難しいと言えます。

企業が利益を上げるには固定費の削減が有効?

企業活動を行う上で、利益を上げることは非常に重要です。利益を上げるために必要なことは「売上を上げること」と「経費を削減する」の2つです。売上を上げるために努力するのはもちろんですが、利益を上げるためには「経費を削減する」ことが一番取組しやすいでしょう。

また企業がコスト削減を考えた場合、まずは「変動費」よりも「固定費」の削減に取り組むことが大切です。その理由は、固定費は売上の上下に関わらず発生する費用だからです。変動費は売上によって変動するため、コスト削減を行うのは容易ではありません。

万が一、変動費を下げるために原材料を安いものへ変更させたり、外注先に無理を押し付けて外注費の削減を行ったりすると、目先の利益は上がるものの、後々不祥事や顧客トラブルが発生する可能性もあり、あまり良策とは言えません。

固定費の削減としては、定期的にかかっている無駄な経費の削減、例えば家賃の減額交渉や交際費の見直し、借入利息の見直しなどが実行できれば、利益向上につながります。ただし、無理な固定費の削減は従業員のモチベーションや企業運営に支障をきたす恐れもありますので、バランスを考慮することが重要です。

企業が固定費を削減するための7つの方法

経費削減において「固定費」の削減が良策であるとご説明してきましたが、ここから固定費削減するための方法を7つご紹介していきます。

人件費を減らす

固定費の内、人件費を見直すことは大きく費用削減につながることがあります。ただし、企業活動において人材は重要であり、むやみやたらと人件費を削減すると重要な人材の流出にもなりかねません。

そこで、人件費削減におけるポイントを見ていきたいと思います。

人件費が安い場所で雇う

人件費が安い場所で人材を雇うことは、人件費の大幅な削減につながります。実は人件費は、地域によって大きく異なっています。

例えば日本で見れば沖縄、世界で見れば東南アジアなど、平均所得が低いエリアで人材採用ができれば、優秀な人材であっても安価で雇うことができるでしょう。

アルバイト、パートを利用する

業務内容が単純であれば、アルバイトやパートを活用することで固定費を削減することもできます。正社員の場合、一定の給料を支払う必要があるため会社としてはコストがかかりますが、アルバイトやパートであれば勤務した分の給料を支払うだけで済みます。

また正社員を雇った際には社会保険への加入や賞与の支払いもあるため、できる限り売上につながる能力が必要となる仕事を任せるようにし、単純作業はアルバイト・パートに任せるなどすることでコスト削減につながります。

外注(アウトソーシング)を利用する

近年は、業務を外部に委託する外注(アウトソーシング)する動きもあります。必要な業務を必要なだけ外注できれば、必要最小限の人件費コストで済むため、業務によっては外注を使うことも大切でしょう。

単純業務や専門性の高い業務など、状況に応じて外注を使うことで、不必要な人件費削減につながります。

支払利息を下げる

コストを削減するには、支払利息を下げることも重要な方法の1つです。支払利息を下げる方法をいくつか紹介していきます。

利息を交渉する

支払利息を下げるもので一番多いのは「銀行金利の交渉」です。銀行の金利は、企業の取引状況や財務状況を鑑みて判断しており、銀行における信用度が高まればそのぶん金利は下がります。

現状の金利を下げるだけでも利益向上につながるため、ここは可能な限り交渉したいところです。また利息交渉をする上で、他行に預けている預金を移すことで利息交渉ができる可能性もありますので、まずは銀行の担当者に相談してみることをおすすめします。

手形ではなく現金で取引してもらう

企業活動においては、取引を「手形」で行うことが慣例としてあります。しかし、手形となると入金サイトが1~4か月程度となり、入金があるまでの資金繰りを銀行借入で賄うケースもあります。

その場合には多少なりとも金利が発生してしまうため、できるだけコストを抑えたいものです。そこで、できる限り現金取引にすることでキャッシュフローが安定し、短期的な資金調達が不要となるため、結果的に金利コストが抑えられます。

資産や在庫を現金化する

会社で保有している不要な資産を現金化することも、コスト削減になります。不動産や車などを有している場合は、毎年固定資産税など税金が発生します。このような費用もコストとなるため、金額を抑えることができれば利益向上につながります。

事業に不要な資産を売却して現金化した上で、借入金利息の返済に充てることもコスト削減に寄与します。

テナントの賃料を下げる

固定費の中でも「家賃」は削減余地のあるものです。例えば今入居しているテナントの大家さんに対して家賃交渉を行ったり、また工場を地方に移転するなど、家賃コストを引き下げることで恒常的な固定費削減につながり、利益アップにもなります。

場合によっては東南アジアなど海外で生産拠点を構えることで、家賃コストを抑えられるだけでなく人件費の削減が図れる可能性もあるため、それぞれの会社の事業性に合わせたテナント賃料の見直しが重要です。

旅費を減らす

出張や視察などの旅費を減らすことも重要なコスト削減策です。どうしても事業を行う上で出張が増加してしまう場合もあれば、事業拡大のための視察を兼ねて遠方へ出張に行くケースもあると思いますが、旅費は想像している以上に利益を押し下げる要因になります。

そのため、メールや電話で対応できるものはできる限り対応し、無駄な出張などを抑えることはコスト削減に大きくつながります。また、社内で出張旅費規程を定め、不要なコストを抑える努力も重要です。

車両費を下げる

自社で社用車を所有している場合は、所有から「都度利用」に変更するだけでコスト削減になることもあります。車を所有すると、駐車場代や税金など思った以上にコストがかかり、頻繁に使用しない会社にとっては無駄なコストがかさんでしまうでしょう。

使い方にもよりますが、レンタカーやカーシェアリングを活用し、都度利用できるようにした方がコスト削減になることもあります。また、所有する社用車をエコカーにすることで、減税や燃料費削減にもなります。

電気代、ガス代を下げる

光熱費は絶対に発生する費用である一方、使い方によって削減できることもあります。

例えば就業規則を改定し、残業時間に制限を設けたりすることでオフィスの電気代を安くできるでしょう。また冷暖房の温度ルールを設定し、不要な電気代やガス代をなくすことでもコスト削減につながります。

さらに照明をLED照明に変更したり省エネの機器に変更することでも、光熱費が削減できます。費用対効果を考え、身近なところから実行することが重要です。

印刷代や郵送代を下げる

事業に必要な契約書や請求書などの紙や、郵送等を行う上での郵送代なども隠れたコスト要因です。塵も積もれば山となるということわざがあるように、これらの小さな費用も、毎日多くの社員が使用している場合にはかなりのコストになります。

近年はネット上で請求書や契約書のやり取りが可能となっており、印刷代や郵送代が削減できる時代となっています。できる限りペーパーレスを進め、メールでやり取りできる分についてはPDF等のやりとりをすることで、郵送代や印刷代の削減を行うことも有効です。

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